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てんかんに年齢は関係あるのか

2020年01月02日

てんかんは人口10万人のうちおよそ500人から1000人の人がかかっている病気です。
パーセンテージで表すと、有病率は約0.5~1%ほどということになります。
日本では年齢別に広い範囲で有病率や発症率などが調査されたことはありません。

しかし、外国ではいくつかの統計データが取られています。
次に示しているのは、アメリカ合衆国のミネソタ州で調査が行われたときの結果になります。

まず、有病率については、0歳児の時点から年齢が上がるに従ってだんだんに増えていきます。
0歳児の時点でのてんかんの有病率は、およそ0.1~0.2%ほどです。
10代前半にかけてこの数字は徐々に高くなり、10歳の時点ではおよそ0.6~0.7%ほどの人がこの病気を発症しています。
その後は横ばいの状態が続きますが、55歳を過ぎたころから再び有病率が増え始めます。
70歳を過ぎると、およそ0.8~1%ほどの人がこの病気にかかっています。
この時期にてんかんを発症しやすいのは、主に脳梗塞など脳の病気にかかることで脳がダメージを受けるためです。

次に発症年齢についてですが、てんかんは統計データでは3歳くらいまでの時期に最も発症しやすいという特徴があります。
0歳児の時点での発症率は、人口10万人あたりでおよそ120人から130人ほどの割合です。その後は徐々に発症率が下がります。
10歳児の時点では、10万人に50人の割合を切ります。
20代から50代くらいまでの人が発症する割合は、10万人のうちおよそ20人から30人くらいとなっています。
10万人のうち20人を切ることはないので、てんかんは年齢に関係なくかかることがある病気だと言えます。

発症率は50歳くらいから再び高くなり、70歳を過ぎた人では10万人に50人以上まで増加します。
欧米で行われた別の調査では、70歳以上の人が10万に100人以上、80歳以上の人が10万人に150人以上の割合でこの病気にかかっているとされています。

では、高齢になってから発症するてんかんに特徴はあるのでしょうか。
高齢者のてんかんは先に書いたように脳の病気と関係していることが多いので、脳がダメージを受けた部分を中心にして症状が出るようになります。

高齢者が発症しやすいてんかんの種類

高齢者がかかっているてんかんは、若いうちに発症してそのまま症状が続いているタイプと、高齢になってから発症するタイプの2種類に分けることができます。
それぞれのタイプによって、発作の出方や症状などは異なっています。
とくに高齢になってから発症するてんかんのことを、高齢者てんかんと呼んでいます。このときに高齢とされるのは、65歳以上のことになります。

高齢者てんかんの特徴としては、原因が分かっている症候性てんかんの割合が高く、原因が分からない突発性てんかんの割合は低い、ということが挙げられます。
具体的な割合としては、症候性てんかんになる人が全体のおよそ3分の2、突発性てんかんになる人はおよそ3分の1となっています。
これは、若いときに発症するてんかんとは異なる比率です。
側頭葉てんかんの割合がもっとも高くおよそ7割、次いで多いのは前頭葉てんかんでおよそ1割となっています。

発作の種類としては、単純部分発作や複雑部分発作などを起こす人が多いです。
とくに複雑部分発作を起こす人が多く、けいれんがあまり見られず、意識の低下が起こりやすいことが大きな特徴となっています。
二次性全般化発作による全身のけいれんを起こす場合もあります。

発作が起きている間は、意識が障害されるために記憶がなく、発作後はもうろうとした状態がしばらくの間続きます。
もうろう状態は数日間にわたって続くこともあります。
また、発作の回数が多いことも特徴です。
高齢者てんかんは、その症状から誤診されることが多く、正確な診断がなされない場合は認知症と誤解されるケースもあります。

若いときにかかったてんかんが再発した場合では、全般発作のうち強直間代発作やミオクロニー発作が起こることが多いです。
また、けいれんを伴わないもうろう状態を呈することもあります。